原価差異の分析(間接費の続き)

前回の続き、製造間接費の原価差異分析についてです。

下記のような図を紹介するところで終わってしまいました。

まず、図の説明から。

・縦軸:金額、発生した費用を金額で表します。

・横軸:操業度、工場の稼働状況を時間などで表します。たとえば、延べ作業時間。


ここでは、操業度にのべ作業時間をとったことにしましょう。

つまり、従業員の直接作業時間のトータルです。


固定費は、横一直線になります。

変動費は、縦軸と固定費の交点から、斜めに増えていきます。


基準操業度は、『その月の予算の作業時間』を意味します。

実際操業度は、『その月に実際にかかった作業時間』です。

標準操業度は、『その月に実際に完成した製品数を作るのに、必要な理想作業時間』です。

(※厳密には、標準と理想は違うんですが、ここでは伏せます)


ある月の予算作業時間が 1,000 時間、実際の作業時間が 950 時間、完成した製品を作るのに必要な作業時間が 900 時間だとすると、

基準操業度:1000時間

実際操業度:950時間

標準操業度:900時間

となります。


縦軸と固定費の交点から基準操業度の点まで、右下がりに線を引きます。

基準操業度、実際操業度、標準操業度のそれぞれに、垂線を立てると、上の図になります。

ここで、基準操業度、標準操業度の垂線は、変動費線まででいいのですが、実際操業度の垂線は実際にかかった費用のところまでひきます(たぶん変動費線を突き抜けると思います)


さて、上図では実際に発生した費用は 線分ag で表されます。

一方、完成した製品数に必要な費用は 線分hj で足りる計算です。

この差、線分ac と 線分eg が余計にかかった費用、ということになります。


次回は、それぞれの線分の意味について、より詳細に説明します。